アセチレン
アセチレン
溶解アセチレン
溶解アセチレンガスは、その高温での燃焼性により、可燃性ガスの中でも際立っています。金属の溶接や溶断加工において、優れた作業性と効率をもたらすガスとして知られています。さらに、熱処理や有機合成品の製造原料としても広く活用されています。
その多岐にわたる用途と優れた性能は、産業界において不可欠な存在となっています。
溶解アセチレン容器の種類(参考)
(注)質量はガス充てん量等を含んでいません。
(注)容器の寸法や重量は実際とは少し異なる場合があります。
(注)容器は当社の製品ではありません。
高純度アセチレン
高純度アセチレンは、精製されたアセチレンガスを専用容器に充填したものであり、その用途は多岐にわたります。半導体の炭素原料や硬質炭素膜の生成原料としてはもちろんのこと、近年ではカーボンナノチューブなどの先端素材の原料ガスとしても注目を集めています。純度に関しては、99.5%、99.9%、99.999%、99.9999% など、お客様のニーズに合わせて幅広い純度をご用意しています。高い品質と安定性を誇る高純度アセチレンは、先端術産業において欠かせない素材の一つとして、ますます重要性を増しています。
>>>> 仕様
1. 高純度溶解アセチレン
(※1)溶接鋼製溶解アセチレン容器
(※2)容器と精製器のセットになります。
2. 高純度圧縮アセチレン
(※3)網目なし鋼製高圧ガス容器(JIS B 8241)
>>>> 用途
・原子吸光分析
・コーティング用の硬質炭素膜(TiC、TiCN 等)
・真空浸炭
・ダイヤモンドライクカーボン(DLC)
・カーボンナノコイル(CNC)、カーボンナノチューブ(CNT)
・半導体
溶解アセチレンとは
溶解アセチレンができるまで
発生工程 | カーバイド(炭化カルシウム)に水を注ぐと、アセチレンが発生します。
CaC2 + 2H2O → C2H2 + Ca(OH)2
カーバイド + 水 → アセチレン + 水酸化カルシウム |
清浄工程 | 発生したアセチレン以外の不純物を除去します。 |
圧縮行程 | 清浄したアセチレンガスを圧縮機で圧縮し、油分と水分を除去します。 |
充填工程 | 圧縮したアセチレンガスを多孔物質に溶剤を浸込ませた容器に充てんします。 |
製図フロー図
アセチレンの優れた特性
1. 火炎温度が高い
・溶断ガスの中で最高の3,330℃の火炎温度である。(プロパンは2,600℃)
・火炎温度が高いことにより、作業のスピードアップが図れる。
2. 酸素の消費量が少ない
・溶断ガスの中で酸素の消費量が最も少ない。(プロパンの1/4)
・酸素消費量が少ないので酸素容器の使用本数を減らせることができる。
アセチレンとその他切断ガスの諸物性
アセチレンの用途
・鉄筋の圧接
・溶接・溶断
・ろう付け
・溶射
・焼き入れ
・製缶品の歪取り加工
・原子吸光分析
・炭素化合物の炭素原料
アセチレン容器
アセチレンガスはその不安定性から、通常のガスと同様に加圧して充填することは危険です。そのため、アセチレン容器は特殊な構造になっています。内部にはケイ酸カルシウムなどの多孔質物質が充填されており、これに溶剤としてアセトンまたはDMF(ジメチルホルムアミド)が浸透しています。アセチレンガスはこれらの溶剤に加圧溶解されることで、安全に取り扱うことができるようになります。この特殊な容器構造により、アセチレンガスの取り扱いが安全かつ効率的に行われることが保証
されています。
アセチレン消費上の注意
①容器は必ず立てて使用して下さい。
②減圧弁、圧力計、ホースなどはアセチレン専用のものを使用して下さい。
③逆火防止装置を取り付けることが義務づけられています。
④容器弁はゆっくり開けて下さい。
⑤溶接・切断作業中、容器バルブの開閉用ハンドルは、バルブに取り付けたままにして下さい。(万一の着火事故のことを考え)
⑥アセチレン容器に火気を近づけないで下さい。また、溶接の火花がふりかからないようにし、ホースを遮蔽物で保護して下さい。
⑦吹管(トーチ)に点火したまま、調整器を操作して圧力を調整したり、容器バルブを閉めないで下さい。
⑧アセチレンの消費速度は、容器一本当り毎時1kg 以下に保って下さい。
⑨毎時1kg を越える速度で消費する場合は、マニホールド(集合装置)を使用して下さい。